新型コロナウイルスによって事業承継が活発化!?

 新型コロナウイルスによる経済活動への悪影響が深刻化しています。こういった状況の中、一部事業者の間で、第三者に事業を売却する等のM&Aの動きが目立つようになってきました。高齢の自分では事業を立て直すことができない…といった消極的な理由ももちろんあると思います。一方で、今回の新型コロナウイルスによる事業活動の一時休止の際に熟考して、事業を新たな若い人に任せてみたい…と積極的に考える事業者もいるようです。
 「災い転じて福となす」と表現してしまってよいのか正直分かりません。ただ、事業承継が実現できるのであれば、貴重な技術やノウハウが継受され、また事業に関係する多数の関係者が救済されるといったメリットがあります。そして何より、破産等の最終手段を選択する前に事業承継を行うことで、経営者の生活再建・維持が行いやすく、結果的に深手を負わずに済みます。
 早期の事業承継は、まさに“三方よし”ではないかと思います。

 


弁護士 湯原伸一

「リーガルブレスD法律事務所」の代表弁護士。IT法務、フランチャイズ法務、労働法務、広告など販促法務、債権回収などの企業法務、顧問弁護士業務を得意とする。 1999年、同志社大学大学院法学研究科私法学専攻課に在学中に司法試験に合格し、2001年大阪弁護士会に登録し、弁護士活動を開始する。中小企業の現状に対し、「法の恩恵(=Legal Bless)を直接届けたい(=Direct delivery)」という思いから、2012年リーガルブレスD法律事務所を開設した。現在では、100社以上の顧問契約実績を持ち、日々中小企業向けの法務サービスを展開している。